COLUMN
天中殺とは?
仕組みから調べ方まで、計算式つきで
「悪い時期」ではなく、暦の構造から生まれる2年間
天中殺とは何か — 暦に「欠けている場所」がある
天中殺とは、算命学で「天が味方をしにくい」とされる期間のことです。12年のうち2年、12か月のうち2か月、12日のうち2日というペースで巡ってきます。
ここまでは他の解説と同じですが、なぜ2年なのかには理由があります。
東洋の暦は、十干(10種)と十二支(12種)を組み合わせて数えます。10と12の最小公倍数は60なので、組み合わせは60通りで一巡します。これが六十干支です。
ここで数が合わない部分が出ます。60通りを十干の頭(甲)で区切ると6つのグループになり、1グループは10個。ところが十二支は12種あるので、各グループでは必ず2つの支が使われないまま残ります。
この余った2つの支が「天中殺」です。四柱推命では空亡(くうぼう)、六星占術では大殺界と呼ばれますが、指しているのは同じ構造です。
つまり天中殺は、誰かが「この時期は不幸」と決めたものではなく、10と12という数の噛み合わせから機械的に出てくる空白です。ここが分かると、必要以上に恐れる話ではなくなります。
自分の天中殺を計算で調べる
天中殺は生まれた日の干支から決まります(流派によって年柱で見る場合もありますが、算命学では日柱が基本です)。計算で出せます。
手順1: 生年月日をユリウス通日(JDN)に変換する。
a = (14 − 月) ÷ 12 の整数部分
y = 年 + 4800 − a/m = 月 + 12a − 3
JDN = 日 + (153m + 2) ÷ 5 + 365y + y÷4 − y÷100 + y÷400 − 32045(割り算はすべて切り捨て)
手順2: (JDN + 49) を 60 で割った余りを出す。これが六十干支の番号(0〜59、0が甲子)です。
手順3: その番号を 10 で割った商が、旬の番号(0〜5)になります。
- 0 … 甲子旬 → 戌亥(いぬい)天中殺
- 1 … 甲戌旬 → 申酉(さるとり)天中殺
- 2 … 甲申旬 → 午未(うまひつじ)天中殺
- 3 … 甲午旬 → 辰巳(たつみ)天中殺
- 4 … 甲辰旬 → 寅卯(とらう)天中殺
- 5 … 甲寅旬 → 子丑(ねうし)天中殺
計算例(2000年1月1日):JDN は 2451545。(2451545 + 49) ÷ 60 の余りは 54。54 ÷ 10 の商は 5 なので甲寅旬、つまり子丑天中殺です。番号54は干支でいうと戊午で、実際の暦と一致します。
命式そのものの出し方は算命学の命式の出し方で詳しく扱っています。
6種類それぞれの傾向
どの2支が欠けるかによって、影響が出やすい領域が変わるとされます。
- 子丑天中殺 … 家庭や身内との縁に出やすい。ルーツから離れたところで力を発揮しやすいとされます
- 寅卯天中殺 … 若い時期や兄弟姉妹との関係に出やすい。早い時期に苦労が集まりやすい代わりに、後半が伸びるとされます
- 辰巳天中殺 … 目上や社会との関係に出やすい。組織の中より、自分の判断で動ける場が合うとされます
- 午未天中殺 … 子や後進との縁、育てる関係に出やすいとされます
- 申酉天中殺 … 友人や横のつながりに出やすい。深く狭い関係のほうが安定しやすいとされます
- 戌亥天中殺 … 精神面や信念に関わる領域に出やすい。目に見えないものを扱う仕事と相性がよいとされます
ここは流派によって記述の幅がある部分なので、断定的に受け取らないほうがいいと考えています。「この領域に意識が向きやすい」くらいの読み方が実用的です。
恋愛で本当に気をつけたほうがいいこと
「天中殺の時期に結婚してはいけない」という言い方をよく見ますが、当サイトはその立場を取りません。理由を書きます。
天中殺は12年に2年、つまり人生のおよそ6分の1です。ここを全部避けると、人生の重要な決断を6分の5の期間に押し込むことになります。それ自体が不自然な制約です。
実用的に意味があるのは、次の2点だと考えています。
①判断が急ぎがちになる時期だと知っておく。物事が思うように進まない感覚が続くと、人は「早く決めて楽になりたい」という方向に動きます。恋愛でいえば、迷いを抱えたまま同棲や結婚を決めてしまう。危ないのは時期そのものではなく、焦りから来る決め方です。
②評価されにくい時期だと知っておく。努力が結果に結びつきにくいとされる期間なので、相手の反応が薄いことを自分のせいだと考えすぎないほうがいい。関係を疑い始めるきっかけになりやすい。
つまり天中殺は「何もするな」ではなく「決め方に気をつけろ」という情報として使うのが妥当です。占いを行動制限として使うと、自由が減るだけで得るものがありません。
天中殺より、日干のほうが恋愛には効く
正直に書くと、恋愛の悩みに対して天中殺はあまり役に立ちません。時期の話であって、その人がどう振る舞うかの話ではないからです。
「なぜ同じ失敗を繰り返すのか」「なぜあの人とはすれ違うのか」に答えるのは、日干(にっかん)のほうです。生まれた日の十干で、算命学ではその人の本質を表すとされます。10種類あり、それぞれ陰陽と五行の組み合わせで性質が決まります。
日干10種それぞれの性格と恋愛傾向は日干とは?10種類の性格と恋愛傾向の一覧に、五行の意味は五行でわかる恋愛タイプにまとめました。
当サイトの恋愛タイプ診断も、天中殺ではなく日干を軸に組み立てています。生年月日から日干を求めて陰陽・五行を計算し、12問の質問で人との距離感・判断の仕方・進め方の3軸を見て、16種の魚キャラクターに分類します。所要時間は約2分、会員登録は不要です。入力された生年月日はブラウザ内での計算にのみ使われ、計算後に破棄されます。
用語の整理 — 空亡・大殺界との関係
同じものが体系によって別の名前で呼ばれるため、混乱しやすい部分です。
- 天中殺 … 算命学での呼び方
- 空亡(くうぼう) … 四柱推命での呼び方。指している構造は同じ
- 大殺界 … 六星占術での呼び方。ただし体系が異なり、期間の数え方も一致しません
算命学と四柱推命は近い体系ですが、使う柱の数も星の呼び方も違います。違いは算命学と四柱推命の違いで、九星気学との違いは算命学と九星気学の違いで整理しています。
複数の体系の結果を並べて食い違ったときは、まず年の区切りを疑ってください。算命学も四柱推命も立春(2月4日ごろ)を年の変わり目としますが、1月1日で区切っている簡易的な診断もあり、1月・2月上旬生まれはそれだけで結果がずれます。
よくある質問
Q. 天中殺とは何ですか?
A. 十干10種と十二支12種を組み合わせると60通りになり、これを6グループに分けると各グループで2つの支が余ります。この余った2支が天中殺で、12年に2年巡ってきます。
Q. 自分の天中殺はどう調べますか?
A. 生まれた日の干支から決まります。生年月日をユリウス通日に変換し、49を足して60で割った余りが干支番号、それを10で割った商が旬の番号で、6種類のどれかが決まります。
Q. 天中殺に結婚してはいけませんか?
A. 当サイトはその立場を取りません。12年に2年は人生の約6分の1で、そこを全部避けるのは不自然な制約です。危ないのは時期ではなく、焦りから来る決め方です。
Q. 天中殺と空亡・大殺界は同じ?
A. 天中殺は算命学、空亡は四柱推命の呼び方で、指している構造は同じです。大殺界は六星占術の用語で、体系が異なるため期間の数え方も一致しません。
Q. 恋愛の悩みに天中殺は役立ちますか?
A. あまり役立ちません。時期の話であって、その人がどう振る舞うかの話ではないためです。恋愛の傾向を知りたい場合は日干のほうが直接的です。
算命学の基礎を知る
当サイトの診断の土台になっている考え方です。計算手順まで公開しているので、自分で確かめられます。
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